お知らせ
(2.1.7)令和2年新年祝賀合同互例会開催
日 時 令和2年1月7日(火)午後5時00分
場 所 甲府記念日ホテル1階昇仙閣
出席者 500名
例年通り、甲府商工会議所、山梨県経営者協会、山梨経済同友会の合同で開催されました。
本年もよろしくお願い申し上げます。
< 次 第 > (敬称略)
司会 小田切いくみ(UTYアナウンサー)
1 開会のことば 丸茂紀彦 (山梨県経営者協会会長)(要旨)
皆さま新年あけましておめでとうございます。令和2年新春を迎えオリンピックイアーがスタートしました。待望のこの国家的プロジェクトを皆様とともに大成功に導き、次の明るい未来につなげていこうではありませんか。私はそのためのキーワードとして「Society 5.0 For SDGS」を提案します。皆さまも取り組んでおられますけれども、このテーマを山梨県内で定着させていただきたい。我々経済団体としても推進して参りますが、特に、行政にもリーダーシップをとっていただきながら進めて参りたいと思っています。
2 主催者代表あいさつ 進藤中 (甲府商工会議所会頭) (要旨)
昨年の令和元年を振り返ってみますと、30年ぶりの改元に沸く一方で世界各地の紛争問題が起き国内においても明るい話題が少なかった一年でした。令和2年は年初よりアメリカとイランの問題が惹起し、国際的な緊張の高まりが懸念されています。我が国も潜在的な人口減少や高齢化およびこれに起因する労働力不足や事業承継の問題、或いは東京と地方との格差の拡大といった経済的な問題が課されています。これらの大きな課題をどうやって解決していくかという事が、我々に課された今後の使命であろうと思います。しかし、当県にはいくつかの明るい話題もあります。7月にスタートする東京オリ・パラに向かって、乙黒拓斗選手(レスリング)に続いて平野美宇選手(卓球)が五輪代表に選ばれ盛り上がりを見せていますし、フランスチームなどが山梨県内市町村をホストタウンとする事前合宿では、スポーツ立国・地域活性化が図られるとともに、インバウンドのお客さまも山梨においでになるのではないかとの観光面での明るい兆しもございます。年内に中部横断道の全線開通が予定されておりますし、このインフラ整備により山梨県にとって大きな飛躍が期待できる年ではないかと思います。昨年の「甲府開府500年」の賑わいを本年に引き継ぎ、さらに、来年の「信玄公生誕500年」に向けて、インバウンド観光の振興そして県内産業・経済の活性化につなげていきたいと考えます。
甲府商工会議所では、本年度の活動テーマを「共生と創出」に定めて、国連決議によるSDGS(持続可能な開発目標)の活動を行います。2020年は5GとSDGSが大きなテーマであると言われております。これらの地域活性化の命題は、本日ご出席の行政、民間企業、大学、金融機関、経済団体における共通のキーワードでありますので、ともに手を携え、知恵を出し合い、明るい未来が描けるよう、新たな価値を創造して参りたいと考えます。
3 祝いのことば (要旨)
○ 長崎 幸太郎 (山梨県知事)
令和2年目になりますが、私も就任2年目を迎えることが出来ました。昨年知事職を預からせていただく中で発見したことは、様々な地域資源、特に富士山がどれだけ世界におけるキラーコンテンツになっているか、或いは長年蓄積された様々な技術、そして何よりも一生懸命汗を流されて地域を支えている多くの県民の皆さま、山梨県の様々な場面での大きな宝物を発見する一年だったと思います。そしてこの宝物を、しっかりと掘り起こし磨きをかけていくことによって、県民一人一人の豊かさが実現できるという確信を得た一年でありました。
多くの皆様のお力を頂く中で先般「総合計画」を発表しました。今年は昨年の布石を実行に移す段階と思っていますが、山梨県を盛り立てていくためには、まだまだ多くのイシュー(課題)を追っていかなければならないと思っております。国際情勢もアメリカとイラン、中国との関係も心配されますし、気候変動による大きな災害もあります。様々な社会情勢や自然環境が変化する中で、山梨を取り巻く突発的な厳しい状況にもしっかり対応していかねばならないと思っております。これらをもとに、我々山梨県をお預かりする者として、しっかり真正面から立ち向かっていかなくてはなりませんが、そのいずれにおいても一番重要なのは、まさに県民の皆様方にとっての経済といえます。経済の最前線で頑張っていらっしゃる今日お集まりの皆さま方との密接なコミュニケーションが何よりも重要になってくると思っております。今年一年、「山梨県だけは何とかする」という思いでやって参りたいと思いますので、ご参集の皆様の様々なご提言やアドバイス、叱咤激励を頂き、ともに明るい山梨を切り開いていくべく頑張っていきたいと思っていますので、どうぞよろしくお願いします。
○ 樋口雄一 (甲府市長)
昨年を振り帰りますと改元に追われた一年でしたが、甲府市も「甲府開府500年」、4月から「中核市元年」「市制130周年」記念の年でした。皆様には様々な事業に際し大いなるご理解とお力沿いを頂きまして厚くお礼申し上げます。これを機に培われました市民の皆さまとの絆を次の世代にしっかりと引き継いでいき、今後とも「市民の笑顔とまちの元気づくり」に邁進して参りたいと思っています。日本の経済に目を向けますと、消費税率引き上げに伴いプレミアム商品券の発行やキャッシュレス決済消費者会議など、特にキャッシュレス事業につきましては、消費者還元事業開始に伴って全国で利用され始め、消費活性化の重要な役割を担っているところです。こうした中、スポーツ界では甲府大使の竜電関や高橋周平選手(中日)の活躍が明るい話題として続きましたし、W杯ラグビー日本代表の素晴らしい活躍は日本中が沸きました。
そして、いよいよ2020年オリンピックイアーがスタートいたしました。私ども甲府にはフランスの卓球、レスリングチーム事前合宿が予定されています。県勢の平野選手、乙黒選手も有望な金メダル候補ですし、同時にフランスチームにも応援を送っていただき、素晴らしいオリンピックとなるよう期待したいと思います。出場されます選手やご家族、関係者が日本に、そして山梨に訪れ観光を楽しまれますので、これを契機にこの経済効果を活かしていきたいと考えます。また、本市では3月にタイ国商務省とのジュエリー産業パートナーシップ協定を結び、地場産業の推進を行います。ほかにも昇仙峡の再開発等、地域資源を最大限に活かした観光地づくりを行う中で、地域経済の活性化や交流人口の増加を目指してまいります。「こうふ未来創り重点戦略プロジェクトNEXT」に掲げました「潤いと活力ある街づくりの実現」に全力で取り組んで参りたいと思いますので、なお一層のご支援ご協力、そして連携を心よりお願い申し上げます。
4 表 彰 第17回「アマンオブジュエリー賞」授与(山梨県水晶宝飾協同組合)
◇受賞者◇
長崎幸太郎知事(スタッドピン)
【デザイン】富士山とワイン、葡萄
【素材】Koo-fu(Pt950)、アメジスト、グリーンサファイア
竜電関(ジュエリーと羽織紐)
【デザイン】竜と富士山、稲妻
【素材】Koo-fu(Pt950)、Koo-fu(K18G)、羽織紐は絹糸の手編み
5 乾 杯 三木 徹(日本銀行甲府支店長) (要旨)
年末年始に「行動経済学」の本を読みました。伝統的な経済学は、「経済人は、あらゆる情報を集めて合理的に判断できる」ことを前提にしていますが、実際にはそんなに合理的に意思決定できる人は一握りしかいません。夏休みの宿題を計画的にやる子供は殆どいませんし、中学や高校でも、期末試験の前に限って文庫本や漫画を読みたくなった経験は皆さんにもあると思います。台風や大雨の時に避難勧告や避難指示が出ても、実際に避難する方は少ないと聞きます。避難する方が良いとわかっていても、まだ大丈夫だと先延ばししてしまう、あるいは、避難しなくても多分大丈夫だろうと思って避難するコストを避けようとする。こういう人間の特性を理解することで、より良い意思決定、行動につなげていく方法を研究するのが「行動経済学」だそうです。
来賓の方々からお話がありましたとおり、山梨県経済は、明るい話題と課題の両方があります。課題は、以前から皆さんが認識されているとおりです。ただ、課題を乗り越えるために、いつまでに何をしなければならないかがはっきりせず、「まだ大丈夫だろうと思って先延ばしにする」「面倒なことは避けたい」という人間の特性に影響されている、ということはないでしょうか。夏休みの宿題や中学・高校の期末試験と違うのは、期限を決めてくれる人がいないことです。もしかすると、もう期限を過ぎているかもしれません。ただ、まだ間に合うのだとしたら、新しいことにチャレンジして、新しい付加価値を生み出していくことにより、山梨で就職したい若者が増え、社長の後を継ぎたいと思う後継者が現れてくる、それが新しいことへのチャレンジを促す、という前向きな循環が起きてくるのではないでしょうか。いつまでに何をするのかをはっきりさせて、面倒でも取り組んでいくしかありません。
今年の干支は庚子です。「庚」は植物の成長が止まって新たな形に変化しようとする状態、「子」は種子(たね)の中に新しい命が萌し始める状態で、今年は新しいことにチャレンジするのに適した年だと思います。山梨県が日本の先頭を切って新しい付加価値を生み出していく地域になっていくこと、今年1年が皆様にとって良い年になること、皆様のご健勝とご多幸を祈念して、乾杯したいと思います。
6 祝 宴
7 万歳三唱 入倉 要 (山梨経済同友会代表幹事) (要旨)
冒頭の挨拶にもありましたが、今年はオリンピックイアーです。さらには2027年のリニア開業やその先を考えたときに、今年のオリンピックを如何に成功させるかが、山梨県にとって非常に大切であると考えます。昨年のラグビーワールドカップで世界中に日本の良さを大いに発信することが出来ましたが、オリンピックの影響力や効果はその比ではありません。大勢の方々が日本に来て頂けることだと思いますし、加えて、世界中のメディアで毎日取りあげられ、何十億人もの人々が、数日間にわたってこの日本に注目されるものと思います。日本の良さ、山梨県の魅力を発信することが出来れば、来年以降の新しい未来が見えてくると思います。まさに今年一年が大事に思います。
数年前から、すでに山梨県経済界はしっかり連携して動かしていこう、新しいものを作っていこうという動きが出来て来ています。今年はこれをさらに加速して「未来につなげる飛躍の年」にしていきたいと思います。
(文責:事務局)