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(30.4.16)「富士北麓の現状と今後の展望」~富士北麓を世界的な山岳リゾートエリアに~講演会

日時 平成30年4月16日(月) 17時より

会場 甲府富士屋ホテル 2F「桃源」

講師 堀内光一郎氏

(富士急行社長/山梨経済同友会副代表幹事/富士吉田市商工会議所会頭)

演題 「富士北麓の現状と今後の展望」~富士北麓を世界的な山岳リゾートエリアに~

内容(要旨)

1. 富士北麓の現状

富士五湖観光客の推移(山梨県観光入込客統計調査)
2012年(1,592万人)→2016年(1,957万人)
訪日外国人旅行者の動向(日本政府観光局(JNTO))
2012年(836万人)→2016年(2,403万人)→2017年(2,869万人)→政府目標2020年(4,000万人)
山梨県の外国人延べ宿泊者数の推移と割合(山梨県観光入込客統計調査)
2012年(39万人)→2016年(137万人)(中国55%、台湾12.8%、タイ8.6%、香港4.4%、インドネシア2.5%、アメリカ2.4%、シンガポール2.3%、マレーシア2.1%)
富士五湖観光客の月別推移(2012年と2016年の比較)
4~8月がピーク、12月~2月がボトム

・2012年と2016年の季別増加率

1~3月(+35%)、4~6月(+45%)、7~9月(+3%)、10~12月(+31%)
観光客の特徴(山梨県全体) ~滞在状況(H28年)
日帰り客が全体の約6割を占めている
観光客の特徴(山梨県全体) ~平均消費額(H28年)
宿泊客の平均消費額は日帰り客の約2.6倍(県外客)
宿泊・県外客(24,842円)
日帰・県外客(9,462円)
観光客の特徴(山梨県全体) ~宿泊状況(H28年)
宿泊数は「1泊」が8割以上を占め、長期滞在者は少ない
1泊(82%)、2泊(12.2%)、3泊(2.4%)、5泊以上(1.3%)

2.今後の展望 ~課題の解決に向けて

MICEとは(定義)
MICE とは、企業等の会議(Meeting)、企業等の行う報奨・研修旅行(インセンティブ旅行)(Incentive Travel)、国際機関・団体、学会等が行う国際会議(Convention)、展示会・見本市、イベント(Exhibition/Event)の頭文字のことであり、多くの集客交流が 見込まれるビジネスイベントなどの総称として定義されている
日本の各都市における国際会議開催件数(観光庁:H28年度)
日本は、国レベルではアジア・中東・オセアニア地域において1位の開催件数(計355件)を誇っているが、都市レベルでは東京の 8位(80件)が最高である。ただ、開催件数上位100都市のうち、15都市(東京、京都、福岡、大阪、横浜、札幌…)が日本の都市であり、国際会議を開催する都市が分散していることが日本の特徴として挙げられる。

【年間開催件数】東京(80件)、京都(45件)、福岡(30件)、大阪(23件)、横浜(22件)、札幌(18件)、名古屋(14件)、神戸(13件)、沖縄(13件)、仙台(9件)、つくば(9件)、奈良(8件)、千葉(7件)、金沢(6件)、北九州(5件)、その他(53件)
日本の国際会議の規模比率(観光庁:H28年度)
30人~149人(38.7%)150人~249人(21.8%)500人~999人(11.5%)
1,000人~1,999人(1.4%)、3,000人以上(1.1%)
国際会議参加者の宿泊率 ~外国人参加者の宿泊率と平均宿泊数(H28年度)
外国人参加者の平均宿泊泊数は約6泊
三大都市圏外は、滞在や観光活動を促すような情報提供やプログラムの組成も、より重要である。

富士北麓国際交流ゾーン構想(H22.3)

 

ニア中央新幹線の概要・山梨県(「リニア環境未来都市 整備方針」(2017年3月))

〇リニア中央新幹線は、東京都から甲府市附近、赤石山脈(南アルプス)中南部、名古屋市附近、奈良市附近を経由し大阪市までの約438kmを、我が国独自の技術である超電導リニアによって結ぶ新たな新幹線。
〇2027(平成39)年、品川-名古屋間が先行開業し、その後大阪まで延伸予定。リニア中央新幹線の実現により、東京-名古屋-大阪の 3大都市圏が約1時間で結ばれ、そのインパクトは単なる経済波及効果に留まらず、国土の構造を変え、日本の国際競争力を強化、日本人のライフスタイルをも変えるきっかけとなることが期待されている。
〇開業により、山梨県と首都圏のアクセス時間は約65分短縮し約25分で結ばれ中京圏へは約150 分短縮し約40分で結ばれる。 現状2時間以上かかる国際空港へのアクセス時間についても、乗り継ぎ時間を含めても成田国際空港まで約105分、中部国際空港まで約85分、羽田空港まで約60分でアクセス可能となるなど、大幅に短縮される。

リニア開業に向けた課題

 

3. 鉄道が開く富士山の未来 ~富士山登山鉄道~

富士山登山者数の推移(山梨県側)

富士山登山鉄道構想
<これまでの経緯>
昭和38年  「富士山トンネルケーブル構想
→富士山の通年観光を目指した計画
平成20年11月「富士山の新交通システム等議員検討会」
→富士五湖観光連盟より「富士山登山鉄道構想
平成25年12月世界遺産富士山の環境と観光のあり方検討会
→平成27年5月まで7回開催される

・平成27年5月18日 「最終報告書」とりまとめ
⇒「富士山への登山鉄道整備」を提言

【期待される効果】
①富士山における環境問題の抜本的改善
②富士山五合目への冬季アクセスの実現による富士山の通年観光地化
③ピーク期における入山者数のコントロールによる需要の平準化が可能
④登山鉄道自体の観光資源化による観光地としてのポテンシャルの向上
⑤登山鉄道駅のシェルター化による防災施設としての活用が可能


富士山及び山麓地域が環境と文化的景観との調和のとれたハイグレードな世界的観光地への飛躍には「富士山登山鉄道」の整備が不可欠

 

4. まとめ

①世界遺産・富士山の環境への配慮や四季を通じて富士山5合目に直結できる「富士山登山鉄道」の推進
②国際リゾートコンベンションエリアの確保・整備
③リニア駅と富士北麓を結ぶアクセス道路等の基盤整備の推進

 

(文責:事務局)

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