経済人のコラム 時局寸評
日本の7つの大罪
インドの政治家マハトマ・ガンジーは半世紀語の日本を予言するかのように社会的7つの罪として、原則なき政治、道徳なき商業、労働なき富、人格なき教育、人間性なき科学、良心なき快楽、犠牲なき信仰を挙げている。
これらの罪に共通して言えることは、「便利を得るはこれ便利に落つ」ということではなかろうか。
論語に「利によりて行えば怨み多し」、孟子も「義を後にして利を先にすると為さば奪わずんばあかず、上下こもごも利を征(と)れば国危うし」と警告している。
かの福沢諭吉翁も「利を行うは理を争う」と、理こそ利の元なりと箴言している。
利の本は義であることを忘れているところに今日の7つの大罪がある所以と言える。
今日の歴史的現実から逃避せず、利己主義、事なかれ主義に陥ることなく、義と利をわきまえ、活眼を開いて驢を度し、馬を度していく決断と胆識が求められている。