経済人のコラム 時局寸評
活動3年目のスタートにあたり
山梨経済同友会が発足して丸2年が経過し、いよいよ3年目の活動に入った。
先の総会で4人代表幹事制から2人代表幹事制に変わり、改めてその責任の重さを感じていたところ、この度の日銀人事異動により、出澤代表幹事が本店に戻られることになった。
当同友会の発足早々より、これまで代表幹事として当会の運営を支え、方向付けてくれており、これからも大いに頼りにしていただけに、本当に残念である。
彼の鋭い時代感覚からくる、既成概念にとらわれない新鮮な発想は、正に同友会の活動精神そのものであり、これからも山梨経済同友会の体質としてビルトインしていきたい。
山梨経済同友会の揺籃期の活動を軌道に乗せるために、彼の果たしてくれた役割は極めて大きく、栄転にあたり、深く感謝したい。
さて、活動3年目に入った今、もう一度これまでの歩みを振り返り、山梨経済同友会として目指すべき姿を再度確認して、会員に示すと同時に、会員の期待する姿とすり合わす努力をしなければならない。
私は総会の席上でもこの点について若干触れたつもりだが、同友会の役割として2つの側面を考えている。
1つは、会の諸活動に参加し深く関わることにより「個人的側面」としての人間的成長である。
時代は今、大変革期にあり、リーダーとしての高い見識と力量が大きく問われている。県内の志ある有志と、深く交わり大いに議論し、デイベイトすることを通じて、その器量が磨かれることを期待したい。そのことがそのまま企業の為となり社会の為となる。
2つ目は、時代を鋭く感知し、先を見て問題を提起し、具体的な提言により社会に行動変化を与えるという「知」の団体としての側面である。
同友会は、一市民として自らの意志と個人の資格で参加した人々の集まりであり、何の利害関係もない、経済的にも独立した団体である。
全てに「質」が問われる今、同友会としての役割が益々期待される。
県民としての視点から、確実に近づいている少子・高齢化社会や憂慮される教育問題等について、山梨経済同友会として情報発信していくべきかと考えている。
これらがしっかり機能していくためには、会員各自が積極的に委員会活動に参加し、相互啓発を通じて個の資質を磨き合うことであり、質の高い個の集まりにより組織の内的パワーを高め、時代に行動変革を与える活動が生まれて来るのだと考えます。
私は、山梨経済同友会として外への提言をしていくことは勿論ですが、まずは会の活動の中での議論を重視し、お互いが切磋琢磨することが大切であり、真剣なデイスカッションを通じて必然的に生まれてくる、質の高い提言を期待したい。
3年目に入った今、委員会活動を活性化させ、会の基盤を固め、その社会的な認知と評価を高めていかねばなりません。
会員の皆様の積極的な意見を頂き、幹事会で充分に話会い、この2年間の役割を全うする所存です。
勝ち残り競争の時代には、企業独自の強みづくりが求められております。
21世紀の会員企業の隆昌と、皆様の人生の豊かなることを祈念し、併せて山梨経済同友会の活動の盛んなることを願って、本年最後のご挨拶と致します。