経済人のコラム 時局寸評
今、リーダーシップが問われる
日本経済の再生へ向けた実務型の小渕内閣が誕生して1ヶ月。
内需喚起の景気浮揚策や、金融機関の不良債権処理問題等の戦後最大級の難問への取り組みが急がれる。
景気回復は、党派を超えた至上命題。
日本発の世界恐慌の回避には、国民の先行き不安を解消し、行政への信頼を取り戻すことが急務であり、政府の毅然とした市場へのメッセージの時宜を得た発信が肝要である。
この非常時こそ、確固たる信念をもったリーダーシップが求められている。
この厳しい不況を乗り切るには、短期的には公共投資のような官主導の財政政策によるテコ入れも有効だが、それだけでは持続的な経済成長は望めない。
経済の主役は民間であり、国際化と規制緩和の中で、活発な新規参入とフェアな企業間競争が行われ、時代変化に柔軟に対応できる新たな経済構造へと変革を遂げてこそ、それは実現する。
我々は、政府の無能ばかり嘆かず、自らの経営に甘えはないのか自問し、情報化時代に耐えられる変化対応型の個性的企業づくりを目指して、果断な経営を実践することが今求められている。
企業が21世紀を立派に迎えられるかどうか、我々経営者の双肩にかかっている。