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TOP 経済人のコラム(時局寸評) ポジティブな思考で21 世紀を切り拓く

ポジティブな思考で21 世紀を切り拓く

 21 世紀の幕が開きました。
20 世紀の最後の10 年間、1990 年代は「失われた10 年」とも言われ、私たちは非常な苦しみを味わいました。しかし、負の遺産の整理を終え、21 世紀を再びすばらしい時代にしていく責務もまた背負っています。

 電通総研が作成した「日本の潮流2001 年」は、21 世紀最初の年である2001 年のテーマを「創革への気概と行動~21 世紀を拓くポジティブシフト」としています。
21世紀の日本に必要なのは、変革を恐れずに自らが創造的な革新を起こそうとする気概と行動であると強調しています。
つまり1990 年代のような停滞を打破し、かつてのような「魅力ある日本」「挑戦する企業」「輝く個人」を実現するためには、努力すれば報われる社会、人間同士が能力を高め合う風土が不可欠と述べています。

 私も同感です。今、日本人は自信を失いかけています。
かつての「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と言われた時代が終わり、圧倒的な強さを誇った国際競争力はアジア諸国の追い上げで陰りが見え、ITの分野でも(iモードのような世界的に注目されている技術もありますが…)アメリカに大きく遅れをとっています。
さらに金融機関の破綻、株安、不況にあえぎ、青少年の凶悪犯罪の増加、急速に進む高齢化、家庭の崩壊など社会不安も抱えています。一方で、経済改革も教育改革も思うように進んでいません。
「日本はいったいどこに行ってしまうのか?」。20 世紀末には、そんな漠然とした不安が漂っていました。

 21 世紀は「不確実性の時代」ともいわれます。しかし不確実性の裏をかえせば、あらゆる可能性を秘めているともいえましょう。
その可能性を生かすには、ポジティブな思考、行動力を持つ必要があるでしょう。例えば1990 年代の「失われた10 年」は、失うものばかりではなかったはずです。
苦しみの中で多くのものを学んだ10 年、21 世紀に向けての準備期間の10 年だったとはとらえられないでしょうか。

 世界の色の専門家は2001 年の色のテーマを「知性」とし、これまでのモノトーンの色調に代わって鮮明色が基調になると考えているそうです。
1990 年代に流行したモノトーンから21 世紀は鮮明色になる。こうした力強い色調への変化は、回復、改革への期待と決意とも受け取ることができるのではないでしょうか。ここにもポジティブな思考への変化がみられるような気がします。

 新世紀は、ポジティブな思考で新しい日本、山梨を切り拓いていこうではありませんか。