経済人のコラム 時局寸評
時代の分岐点
自然淘汰が経済界にもより顕著に表れ、「本来あたり前の経営をあたり前に行う」という創業の原点に回帰する企業が今年はさらに増えるのではないか。
昨年の景況は、投機資金が景気回復期待感による株価の上昇を加速させ、大企業から始まった構造改革とコスト見直し等による「自己改革と守りの経営」で、全体的な業績は回復基調傾向にある。しかし、動きは極めて鈍く、一進一退の域から抜け出したとはいえない。特に県内の大半を占める中小企業にとっては、まだ体感できかねないでいる。
とはいえ県内でもちらちらとデフレ脱却が期待され、経済環境に好転の兆しが見え隠れするムードが出てきたことはうれしい。
県内はもとより日本の多くの企業が競ってアジア諸国に進出し、その経済成長に力を貸しすぎたことの反動から、再び国内回帰への動きが始まっているように思える。「自分の商品は自分で責任と自信を持って製作する」ことに徹し、まい進するのみだ。
どんな企業でも活性化への道筋はある。企業は全方位的に見渡す自信が大切。急激に経済成長するアジア諸国とは、これからの本当の競争になる。